『アンダーカヴァー』をみる

  • 夕方から出かけて、三宮の古本屋を廻ってから阪神電車で春日野道駅(異様に幅の狭い以前のプラットフォームがそのまま残されていて、これはリノベーションになるのかしら?)へ。HAT神戸(初めて行ったのだけれど、整然とした廃墟のような街並みだった)の「109シネマズ」で、ジェームズ・グレイの『アンダーカヴァー*1をみる。
  • この監督の映画をみるのは初めてだが、ずいぶんカッチリとした作り。オープニングの雰囲気の作り方が巧い。雨(垂直)の中のカーチェイス(水平)のシーンがすごい。これは映画の最後に、葦(垂直)の生い茂る川岸を焼いて煙るなか(水平)で行われる追撃戦で、繰り返される。登場人物たちも皆、このどちらかの範疇に収まり、ホアキン・フェニックスの演じる主人公だけが、このどちらの動きも可能なのである。しかし、老優ロバート・デュヴァルはとても素晴らしく、ずっと続けていることと云うのは、それだけでもどえらいものになるんだなぁ、と、つくづく。しかし、ただ渋いだけにせずに、キチンとエヴァ・メンデスでエロも入れる丁寧な仕事ぶりに感心。