May『晴天長短』をみる

  • 朝起きて、品川へ出て、新幹線に乗る。そのまま日本橋まで出て、「in→dependent theatre2nd」で、May*1の『晴天長短』をみる。金さんも、田中さんもすごく元気そうで、とてもよかった。
  • 舞台の組み立てはきわめてシンプルで、天井には旗がぶらさがり、床にはレジャーシートが敷いてあるくらい。以前、学校の体育館でやったMayのマダン劇をみたことがあるが、そういう経験を積み重ねて、それで充分であると云う手応えを掴んだのだろう。上演時間は一時間ほどなのだが、役者たちのアンサンブルの緊密さに支えられて、ぐんぐん芝居のスピードが出てくるのが快かった(最高速まで出たところで、時間を緩ませて、静寂と内省を持ち込むのはMayの十八番である)。これまでのMayのふたつの活動、ストレート・プレイと音楽劇のそれぞれを融合・凝縮のさせかたも、非常に巧みだった。
  • Mayの芝居は常に、偶然与えられたこの私の生を、この家族たちと、どう生きるかを、愚直に考え続けている。たぶん、私がこの劇団の芝居が好きなのは、そういうところなのだと思う。
  • 最前列に、小学生ぐらいの女の子たちがいて、舞台に見入っていた。これからの長い彼女たちの人生で、この芝居から放たれた力が、きっといつか励ましになればいいと、そんなことも思った。
  • 「道楽」*2侯孝賢を200円で買い、ぷらぷらと難波へ古本屋の数百円までの棚を覗きながら歩く。
  • 夜、Y嬢の下宿へ行き、U君とキムチ鍋をご馳走になる。終電ぎりぎりまで駄弁り、U君と大阪駅まで戻るが、人身事故(しかし、死んですぐ「ご迷惑」と放送されて、人びとの舌打ちの対象になるのは、気持ちの良いものではないだろうから、自殺するときは、電車はやめておいたほうがいいと思う。なるほど、確かに生きているこちらには迷惑なのだが、それを直截、「迷惑」と云ってしまうのは、どうなんだろうと、いつも思ってしまうのだ)で一時間半ほど、プラットフォームでずっと話している。