- 仕事が終ってから元町のシネ・リーブルでウェス・アンダーソンの『グランド・ブダペスト・ホテル』をみる。劇場で柚子と待ち合わせるが、ちょっと風邪をひいたみたいで目がつらいとのことで、柚子はそのまま帰宅する。チケットは取ってあったので、窓口で並んでいるなかでいちばん可愛い子に、柚子がみるはずだった席(というのは私の隣)をあげる。
- ウェス・アンダーソンの映画はこの頃どんどん世界をミニチュアとして捉える傾向を強めていて、それはもちろん『ファンタスティック Mr.FOX』で最も際立っているが、『ムーンライズ・キングダム』にもはっきりとみてとることができたと思う。それがなぜなのか、とても不思議だったのだけれど、やはりはっきりとその試みを継承しているこの『グランド・ブダペスト・ホテル』をみて、どうして彼がそういうふうに映画を組み立てようとしているのか、その根本がようやく判ったような気がした。この映画は、紛れもなく、スピルバーグの『シンドラーのリスト』を踏まえている。