• 朝、栄のホテルを出て、写真を撮ってあちこち歩きながら名古屋駅まで出る。毎日ガイシホールまでSKEのライヴを見に行く仕事ならいいのだが。
  • 昼の部は緩い。終わってから金山まで戻り、写真を撮る。バッテリーが切れたので、駅前の中華料理屋で台湾ラーメンを食べる。
  • 夜の部の松井珠理奈卒業コンサートは、ものすごいものを見たという感じだった。
  • 野島樺乃がソロで歌った《泣きながら微笑んで》と、井田玲音名がセンターを担当した《思い出以上》がめちゃくちゃ素晴らしかったのはさて措き、まるで「忠臣蔵」を見ているかのようだった。
  • 最後のスピーチの直前から、珠理奈が名古屋弁まるだしで喋るのに驚いていると、スピーチが始まり、彼女が真っ先に言葉を掛けたのは、外のファンにではなく内のSKEメンバーに向けてだった。
  • 愛憎が激しく渦を巻いているようなスピーチのあと、やがて、珠理奈はメンバーたちの作った人垣の間を、諭し、慰め、声を掛けながら進んでゆき、暗い穴倉に入って、消える。
  • 珠理奈を見送っているメンバーたちはこのとき、紅白の時の《不器用太陽》の血飛沫のようなオレンジに染まる装束を身につけている。珠理奈が去ったあと、メンバーは珠理奈の作詞した《オレンジのバス》を初披露して歌う。これが珠理奈の辞世でなくてなんだろう。
  • 最後の最後まで、メンバーとSKEのことだけを、オブセッションのように考え(捉われ)続けて、そのまま消えていった松井珠理奈。あまりにも重すぎるとこれを嫌う人もいるだろう。彼女が背負ったのではなく、背負いこませたということもできるだろう。しかし、ここまでやりきった人もいないだろう。
  • 昨日、鳥籠に乗って垂直に昇っていった高柳明音と、暗い地面に降りていった松井珠理奈。SKEへの愛は人一倍だったふたりだが、あまりに対照的な幕切れだった。どちらがより胸に迫ったかと言えば珠理奈だが、これは私の好みだろう。
  • 帰宅して、そのまま居間で眠ってしまう。