• もしかしたら間に合わないんじゃないかと焦りながら仕事を終えて、シネ・リーブル神戸に向かう。予告編の間に飛び込んでポール・シュレイダーの『カード・カウンター』を見る。狭い部屋からどうやって出るか(俺みたいになるな、蝕まれるぞ、出られなくなるぞ、外に出ろ)を、とても貧しい風景(郊外のモーテル、地方のホテルの宴会場やカジノ)の中で、繰り返す。静止画のような最後のショット。しかし、それは静止していない。ずっと見たことを覚えているという映画ではないかもしれないが、いい映画だった。