• 朝は雨。駅までの道を急ぐ。今夏初のひっくり返っている蝉を見つける。しかたがないので、指を突き出すとごそごそと足を延ばして掴んでくる。手近のフェンスに留まらせる。もう少し行くと、以前はおじいさんが一人で土を耕していたが、おそらく野菜を収穫する間もなく、ひっそりとしてしまい、荒れ放題になった庭の家があるので、この木に留まらせてやればよかったと、舗道の上まで伸び広がった枝の下を通り過ぎながら思う。電車にはぎりぎり間に合う。