• ネットで探した近所の造園屋が、朝、見積もりに来る。これが檜葉だというのを初めて知る。
  • 数か月前、路地を挟んだ前の家の婆さんが、延びっぱなしなのが怖いので、短く伐ってほしいと言ってきた。私は、「あなたに何の関係がある」と言った。こうやってご近所トラブルというのは起きるのだと思った。やがて頭のおかしいゴミ屋敷の爺になりそうな私である。だが、子供が帰省しているときにわざわざ言いに来た(何かあった時加勢してもらうためだろう)隣家の婆さんも卑怯で憐れなのと、木の勢いは止まらず、二階のベランダを越えそうになっているので、柚子とも相談して(彼女もさすがに伸びすぎだと思っていた)短くすることにした。雨の日は、この木の下まで来ると濡れないので、鞄から鍵を出したりするのに重宝する。我儘を言うならば、私は全然伐りたくないのだが、仕方がない。造園屋に、半分ぐらいの高さにしてほしいと頼む。こういうふうに刈りますと説明があって、税別二万でどうですかと言う。脚立をどっかで借りてくること、脚立から落ちてしまうことの面倒などを考えて頼んだ。
  • 風呂に入って洗濯物を干して、新開地のシネマ神戸でロバート・アルトマンの『イメージズ』を見る。中盤うとうとする。やはり大昔の火曜サスペンス劇場みたいな映画だった。ツトム・ヤマシタの「サウンド」とジョン・ウィリアムズの「ミュージック」は、いかにも1972年の映画らしいものだった。夫を演じていたルネ・オーベルジョノワが面白かった。軽口と冗談ばかりの夫では駄目なのだろうか。彼を殺してしまうのは、何だか切なかった。
  • 陽を背に受けながら写真を撮りながらぶらぶら進んでゆくと路地の奥は海だった。
  • 山の上の図書館まで行って本を借りてくる。