ボーイズ・ラヴでも私は体液が滲み出る

  • きょうは柚子の会社も休み。七時ごろに目覚める。十時起床。鬱の雲の中から抜け出ている。柚子が朝食にオムレツとフレンチトーストを作る横で、昨夜の皿を洗う。彼女は、まるでクレープを焼くようにオムレツを作る。美味。
  • 私は、結婚して家を出た柚子の姉の部屋を自室に貰い受けたのだが、部屋にはまだ彼女の本が残っている。今日はそれを物置に移すため、段ボール箱に詰めてゆく。
  • 柚子とその姉は、年季の入った元・腐女子である。その筋の方がご覧になったら、きっと舌なめずりされるであろう厳選のボーイズ・ラヴな同人誌、雑誌、単行本、etc.etc.が、クローゼットの奥の作りつけの書棚には天井までぎっしり詰まっている。
  • 私もその手のものは決して嫌いではないので(苦笑)、『JUNE』のバックナンバーに読み耽って杉本亜未の明治初期を舞台にした実に渋いデビュウ作を十数年ぶりに読んだり、よい映画批評を書くひとだった故・石原郁子が硬質な風情の小説を同誌で書いていたことを始めて知ったり、或いは四谷シモーヌ(このひとの描く困ったときの男の顔が実にそそるね)のシャーロック・ホームズものや自民党もの(傑作。橋龍への秘めた恋心を曝けだす小沢一ちゃんの何とも切ないことよ! 思わず涙腺が緩んじゃったよ)を読んだり、長澤均南原四郎の匂いが強烈な『アラン』と『月光』のバックナンバーはやっぱり物置に入れずに此処に残しておこう…とかしていると、いつまで経っても片づかない(当然である)。何とか夕食までに箱づめを終える。
  • Iくんから昨日届いていた小包を開ける。誕生日祝いにクリスタルのワイングラスのセットを贈ってくれたのだ。感謝。
  • 昼食のあと、昨日食べきれなかったバースデイ・ケーキの残りを柚子と食べた。こんなにおいしいケーキだったのか。
  • 柚子は一日、じぶんの部屋を片づけていた。時折、飛び切りの服が出てくると私に見せてくれる。ファッション・ショウのようでとても愉しい。