- 先日、若さまと話していると音楽の話になり、彼はフィリップ・グラスの「MISHIMA」が好きだと云う。だが『浜辺のアインシュタイン』は聴いたことがないと云うのでCDを貸したのだが、そのお礼に彼から「僕のバイブルなんですっ!」と、藤田晋の『渋谷ではたらく社長の告白』を差し出される。ちょうど昼にコンビニで、毎号欠かさず立ち読みしている『BUBKA』の「本誌だからここまで書ける!奥菜恵 離婚の真相」*1を読んだ処だったので、奇縁を感じて、IT成金の半生記をありがたく借りる。
- 地下鉄の長堀橋駅から降りて、南船場をぶらぶらする。
- コムデギャルソン大阪店の前の電柱広告で、マルタン・マルジェラ*2の大阪店ができていたのを知り、足を延ばす。2年ほど前からあるみたいだが、それはちょうど、私が狂気の着道楽からすっぱり足を洗った時期で、だから今日まで気づかなかったのだろう。店舗は、大阪農林会館*3の2階と云う最高のロケーション。ぐるりと店内を廻るが、服はもちろん、店そのものが高低差を設けた、高校の美術準備室のような造りで面白い。金さえあれば柚子に持って帰ってやりたいと思う服が幾つかあった。
- 同じ階のベルリン・ブックス*4と云う古書肆に入り、ナボコフの『魅惑者』とカズオ・イシグロ特集の『SWITCH』を求める。どちらも大変良心的な価格。店内で、チチ松村氏とすれ違った。昔、私もクラゲを飼おうと思ったことがあるのは、氏のエッセイとムーンライダーズの「9月の海はクラゲの海」の所為だ。トレードマークのサングラスは掛けておられなかった。私のすぐ後ろで、持ってきた楽器を店員さんの前で弾いた。とても愉しそうな音だった。