いやな感じ

  • 魔の山』、ナフタの履歴が語られる。そう云えば、ルカーチの『小説の理論』を私は本棚の何処にしまい込んだのだったっけ?
  • 23時頃まで、事務所で独り残業。よく働いているのではなく、日頃、働いていないから皺寄せがきていると御理解いただきたい。ふと、机から顔を上げると、事務所の奥の白い壁面の上のほうで、たくましく育ったゴキブリが長い髭をひくひくさせながら静止していた。息を呑んだが、残念ながら手元にM1911A1はない。マジックリンをぶっかけてやろうと思い、事務所の反対側へ取りに行って戻ると、もういない。実に嫌な感じなので、きりきりと仕事を片づけ、事務所を出ようと努める。ひと段落がついたので荷物を纏め始めると、また壁に奴が。今度こそ狙いを定め、マジックリンのトリガーを引いたが、派手な音を起てたわりには、酸の泡は、ほんの僅かしか飛び出さず、驚いたゴキブリは、事務所の壁を埋める書類キャビネットの裏側に逃げ込んだのだった。鞄を掴み、すぐに帰路に着く。
  • 帰宅後、柚子が真夜中に起き出して、UFOを作って持ってきてくれる。涙が出そうになるほど旨い。