『ユナイテッド93』を観る。

  • 昼前に起き出し、日記を付けたり姑とお茶を飲んだり、グタグタと過ごす。
  • 夕方から出掛けて、前売を買ってポール・グリーングラス監督の『ユナイテッド93*1をやっと観る。
  • 手持ちカメラのぶれぶれな映像への耐性はかなりあるほうだが、最後でさすがに耳鳴りがしてきて、何だかじぶんもハイジャックされた機内にいるような具合になるのには驚いた。
  • ハイジャックされた乗客たちも、ハイジャック犯たちも、追い詰められると、それぞれの神への祈りを、それぞれの言葉で唱える。電話に向かって最後に囁く言葉も同じ「愛している」だ。非常に真面目に作られたであろう映画なのは間違いないと思う。
  • だがそれでも、反撃に転じた乗客たちがハイジャック犯に襲い掛かる、そのシーンがまるでゾンビ映画での、ゾンビの群れによる残された人間への攻撃のそれに見えてしまう。或いは、あの日ハイジャックされた四機のうちユナイテッド93便だけは自爆テロの目的地のワシントンに辿り着けず墜落してしまうのだが、映画では、ハイジャック犯のリーダーの予定に反して、情熱ばかり盛んな仲間が先走って行動してしまったため、乗客が反撃に転ずるだけの時間を与えてしまったからだと描かれる。部下が脳味噌まで筋肉の奴らでなければ、きっとリーダーのメガネくんはちゃんと突撃できたろうに。可哀相……と、こちらも無念を抱いてしまう。
  • そして、映画が終わるとユニバーサルスタジオジャパンの広告が画面に映し出された。「映画の世界を体験しよう!」と。苦笑する。それがまるで、この映画が最高に良くできたアトラクション・ムーヴィだと思わせるキャッチだったからだ。
  • 映画が終わってから東急ハンズの前でU君と待ち合わせて「uzura」へ行くが、「欧風酒場ビストロウズラ」に改装していた。以前の落ち着いた雰囲気のほうが私は良かったと思う。改悪である。U君の奢りで二時前までたらふく食いながら駄弁る。お互いに手を変え品を変え、「じぶんのやりたいと思う創作に、なぜ貴様は真摯に取り組まないんだ!?」と批判する。
  • 電車がないのでぶらぶらと歩いてU君邸へ。六時前まで駄弁り、彼の家を出る。司馬江漢の絵に出てきそうな秋の盛んな雲が空を覆っていて、それぞれの切れ間から朝陽が射し始めていた。
  • 帰宅後、太極拳の習い事の仲間たちと日帰り旅行に出掛ける姑を見送り、PCを開いてメールチェックやら何やらしてから、布団に倒れ込む。