あいまいで美しい日本で私

  • 雨。
  • 昼過ぎ、姑の病院に。かなり弱っているのが痛々しい。土日は調子が悪くてずっと病室だったので、外に出たいと云うから、車椅子を押して、ふたりで少し外に出る。
  • その後、ひとりで病院の食堂で、姑がおいしいと云う醤油ラーメンを食べる。成るほど、旨い。
  • 姑のベッドの脇で、とても丁寧に書かれている廣松渉の『世界の共同主観的存在構造』を読んでいると、柚子がくる。しばらくして、一緒に帰る。
  • 積んである本の上から、『黒沢清の映画術』をひっぱり出してくる。
  • 松平頼則の作品集を、いちにち聴いている。「ピアノとオーケストラのための主題と変奏」も明快で良いが、寧ろ私はそれ以外の曲、「ダンス・サクレ(振鉾)」や「左舞」などが好き。とても精緻な響きなのであるが、せせこましさや刺刺しさが些かもない。実にのびやか。片山杜秀の解説を読むと、今年生誕百年である松平頼則の作品は、いまだ初演すらされていない曲も数多いそうである。それはまずいんじゃないだろうか? オペラだってCDさえ出ていないし……。非常に面白い曲が多いようなので、これはもっと聴きたい。