本とか廃墟とか。

  • 滅多に開けないで積み重ねてある、本やCDを入れた段ボール箱をゴソゴソやっていると、知らない場所に行くのが大好きな「しま」が大変興奮して、段ボールの上に乗ってきて、作業の邪魔をするのだった。彼女を除けながら、ダイジェスト版の『太平記』やポゴレリチのバッハのCDなどを発掘してくる。
  • ほったらかしていた『コールハースは語る』をきちんと読み始める。私の読書は大抵、悪趣味である。建築とノスタルジイ、触れるもの総てを黄金に変えるミダス王としての建築家、複雑さのプロパガンダなど、たくさんの「種」がゴロゴロ転がっている談話集。
  • コールハースには、資本主義のカネの流れと並行して激烈に疾走することに取り憑かれている彼と、それを醒めた目で観察している彼に分裂しているようである。だから、「今や人気の的であるものの、現代潮流に完全に従うことに生来抵抗を持つ建築というメディアが加速化に向かっているのは、見ていてうっとりするような気分です」と語る彼と、「建築がある特定のスピードに達するのは不可能である」と語る彼は矛盾せず、そうであるとなら、VTCCがすっかり丸焼けになってしまい、ひとつの建築が、完成の寸前で、あいだをすっ飛ばして見事な廃墟となりおおせて*1、しかも、じきに撤去さえされてしまうだろうことに、興奮している彼もいるかも知れない。いや、興奮しているのは、私か(失笑)。
  • 夜、アルバイトに行き、23時を過ぎる。柚子と駅前のドーナツ屋で待ち合わせて、帰宅する。カレーを少し食べる。

*1:さすが「Dezeen」、美しい写真を揃えた! http://www.dezeen.com/2009/02/10/television-cultural-centre-by-oma/