- とても久しぶりに引っぱりだしてきた、シノーポリの振ったマーラーの「六番」を聴く。併録の「十番」のアダージョは、この断章をどう扱えばよいかシノーポリが見定め兼ねているようで、些か平板な印象を受けたが、やはりこの「六番」の演奏は、すごくいいものだった。シノーポリの作る音楽は、躁鬱ぎみの耽美派なのだ。中学生のとき、私はこの「六番」が大好きで、飽きずに繰り返し聴いたのだった。MR君に聴かせると、「呪われている……」とメールが返ってきた。
- 『カラマーゾフの兄弟』をさくさくと読み、『ベルリン陥落1945』を苦笑しながら読み、「しま」とたらたらと遊び、久しぶりに日記を書き、夜になってアルバイトに。
- 帰宅後、校正作業真只中のN君から連絡あり。その後、柚子と晩御飯を食べる。
- きのう買ってきた展覧会と同名の図録『杉本博司 歴史の歴史』を繰っている。杉本は自身の展覧会の図録を作るのが、とても上手だ。骨董品たちは、杉本のカメラに撮られることで、そのブツとしての強い押し出しを潜め、すっかり杉本の作品となって静かに、図録の頁を埋めているのだった。