家に帰る。

  • 朝、荻窪駅までやまもも君に送っていただき、父の下宿まで戻り、眠る。
  • 十時過ぎに起きて、荷物を纏めてから区役所(の出張所)に寄り、神保町。以前きたときに買おうと思ったのだがけっきょく買わなかった江藤淳の『表現としての政治』が、まだあるだろうかとその古本屋の棚を覗きに行くと、私が手に取ったときと同じ場所にささっている。苦笑しつつ購入する。他の古本屋を覗く時間はなく、慌てて渋谷に出て、Bunkamuraザ・ミュージアムで「タマラ・ド・レンピッカ」展*1をみる。きのう柚子を品川まで送った際、電車のなかで告知をみて、とてもみたくなったからだ。1920年代から第二次大戦までの間の作品群(被写体としてのタマラ自身を含め)の輝くばかりの大胆さと清新な美しさがやはり目を射るが、それから数十年後の、彼女の最晩年の作品のひとつである聖フランチェスコの肖像も、大変いいものだった。画布の中央を四角く切り取るようにして、聖フランチェスコの顔が描かれている。聖者の顔のモデルは、ひどい鬱病で長く苦しんだレンピッカが掛かっていた精神科の医師らしい。そして、そのまわりを取り囲んで、奇妙な明るさのピンクが塗られている。ちょっと、ウォーホルのシルクスクリーンのようなふうでもある。
  • 図録(2,500円)を買おうとするが財布が乏しいので、ぱらぱらやりながら悩んでいると、てっきり巡回しないと思い込んでいたこの展覧会は、五月に兵庫県立美術館にくると印刷されていた(全然知らなかった)。きのう、柚子もみたいと云っていたから、図録はそのときにしようと決めて、帰路に。
  • 新幹線のなかでは、腰をおろして暫らくするとすぐに睡魔に憑かれて、本も少しも読まず、喉が渇くのでときおり紙パックのミルクティを飲むだけで、あとはずっと、新大阪まで眠りに眠る。
  • 夕方、拙宅に帰り着き、玄関まで迎えにきてくれた「しま」をだっこする。ぐるぐると喉を鳴らす「しま」。やっぱり、家に帰ってくると、落ち着く。
  • 風呂に入り、それからアルバイトに。自転車を漕ぎながら、風がひどく冷たい。
  • 帰宅して、柚子と焼肉を食べる。『罪神』のサイトのための短い文を書く。真夜中、洗濯物をベランダに干す。
  • 朝の五時、私の膝の上で、「しま」がぺたんとくっついて、すっかり眠っておる。