地震が起る。

  • きょうはアルバイトが休みなので、昼前に起きだして、洗濯機を廻し、シチュウの残りにパスタを茹でて食べる。風呂に入りながら、カール・シュミットの『政治的なものの概念』を読み進める。窓の外が翳ってきて、短い間で、ざっと雨が降る。天上で暮らす巨人たちの長くだらだらとした昼食が終わり、呑み残した水を足元に注いだのだろう、とか、浴槽のなかで茹だっている頭でぼやぼやと思う。
  • ここ数日ずっと、modeから出ている(今のところ)二枚のリュック・フェラーリの作品集ばかり繰り返し聴いているのだけれど、ティーレマンの《指環》のボックスのなかから《ジークフリート》を初めて出してきて(けっきょく《ラインの黄金》と《ヴァルキューレ》ばかり聴いていたので)聴きはじめる。暫くして、少し揺れを感じた。ツイッターのTLを眺めていると、東京の友人たちがかなり大きな地震に遭遇しているのが判り、すごく焦る。
  • 朝になってきて、まだ、NHKのニュースをみている。津波に流されてきたのか、泥地の上で、夥しい台数の自動車が幾つかのまとまりをつくって転がっている。そのまとまりの無造作なさまは、小さな子供が掌で、ミニカーをがさっとかき集めて片づけたふう。それは、びっしりと貼りついたフジツボの群れを想起させるのだが、その塊から、黒い煙に縁どられた、鮮やかなオレンジ色の大きな焔が盛んに噴き上がっている。音はついていないので、静かに、静かに、燃え盛っている。
  • ぞっとする。