『兵隊やくざ』をみる

  • 夕方までぽちぽちとテープ起し。ものすごく大事なことがばんばん出てくる。
  • 「しま」が遊べと呼びにくる。階下で、増村保造の『兵隊やくざ』をDVDでみる。勝新太郎の大宮と田村高廣の有田の関係は、相棒というより、まさに恋人のそれである。勝新がたびたびみせる、ぷくぷくころころとした愛嬌は、冒頭の、白骨になった兵隊の屍と鮮やか過ぎる対照をなしている。主要な登場人物によるナレーションがところどころで挿入されるのは『陸軍中野学校』と同じであり、主人公が乗っている汽車が私たちの前から遠ざかって映画が終るのも同じだ。しかし、『兵隊やくざ』の汽車の疾駆は、帝国陸軍という組織から逃れるためだが、『陸軍中野学校』では、同じ組織にがんじがらめにされるために(しかもそれが判っていながら)往く汽車である。ただしどちらも、男たちの旅立ちの前に、女が棄てられるのは同じであるが。小林節雄の撮影は、みせるべきものを的確かつクールな距離で把握する。
  • 風呂に入り、阿部良雄の『西欧との対話』を読み終える。大変勉強になった。阿部良雄は今も読まれなければならない。
  • 柚子が帰宅。髪を切ってきた。よく似合っている。風呂掃除をする。お好み焼きを食べる。
  • 弟から借りてきた花沢健吾の『アイアムアヒーロー』の7巻を読む。