『レ・ミゼラブル』をみる

  • 家で晩御飯を食べてから、柚子とHAT神戸のレイトショウでトム・フーパーの『レ・ミゼラブル』をみる。此処数年で映画が蓄えてきた3Dデジタル映画の表現(ものすごく乱暴に纏めると2Dを幾重にも重ねて奥行きを構成する)の経験を、2Dの画面に取り込んで、「舞台」というものを見事に映画で実現していると思った。また、舞台では実現できず映画だけが可能とするクローズアップを多用して、歌う俳優の顔を、見事に決めた構図(カール・Th・ドライヤーのようなところさえある)のなかで大写しにし続けるのだが、怖ろしく金と手間をかけて作っているだろう美術や装置を、見事なクローズアップを撮るための道具として惜しげもなく投入しているさまがまったく豪奢である。『ダークナイト・ライジング』も素晴らしかったがアン・ハサウェイの歌唱と演技は大変なもので、しかしエポリーヌ役のサマンサ・バークスやマリウス役のエディ・レッドメインもとてもよかった。