• 朝、いちばん上に積んであった東浩紀の『弱いつながり』を手にとって、読みはじめる。洗濯物を干して、仕事に行き、帰路、『弱いつながり』を読み終える。新井紀子が『ロボットは東大に入れるか』で記していた、「近い将来、性別や所得、学歴や日頃使う語彙などで、表示する検索結果はチューニングされるようになるでしょう。その結果、人々は関心や性向ごとに別の世界に住まわされることになる。各人に最適になるように機械に情報を整理させると、人々を分断することにつながるんです」という認識から出発しているのは東も同じ。
  • 大きな災厄だったり、起きてしまった何かへの言葉が涸渇してしまわないように、その何か(の痕跡)を「もの」として残すことが必要であり、そもそも忘れっぽい生き物である私たちに対して「もの」を、アクセスしやすく、さまざまな言葉が紡ぎだすことができるように常にメンテナンスしておいておくことが重要である、と。
  • 柚子が焼きそばを作ってくれて食べる。美味。夜のニュースが流れてるのをぼーっときいていると、星野仙一が監督生活を終えるとかで、その発表は数ヶ月前にあった……とか云っている。私は全く知らなかったが、柚子は知っていたという。その程度には大きなニュースだったのだろう。私は野球にも星野にもこれっぽっちの思いいれもない。それゆえに、ではあるのだが、しかしじぶんが興味を抱くことのできない世の中の情報に対するフィルタリングが、いかにもがっちりし過ぎているさまに、我ながらちょっと驚いてしまう。私にとって今年の引退でいちばん衝撃的な大ニュースだったのは、大脇有紗木下有希子のそれであるけれど。