• ギャラリーパルクの「像を耕す」展のクロージング・トークを聴きに行く。家に帰って、洗濯物を取り込んで、河出文庫の『ベンヤミン・コレクション』(いろんな翻訳があるが、私はこれがいちばんしっくりくる)をめくる。「翻訳者の課題」は、藝術作品が「受容者を考慮に入れることが実り豊かなものとなるということは決してない。「理想的な受容者」でもダメで、「必ずや本来の道から足を踏み外してしまう」という。「いかなる詩も読者に向けられたものではなく、いかなる絵画も鑑賞者に、いかなる交響曲も聴衆に向けられたものではないからだ」。そして「ボードレールにおけるいくつかのモティーフについて」では、こうだ。「無数のしぐさのなかで、写真家が「パチリ」と押す動作がとくに重要なものとなった。ある出来事をいつまでもとどめておくには、指でひと押しすればこと足りた。写真機は瞬間に対して、いわば死後のショックを付与したのだ」。
  • 蒲団に転がって、長谷川四郎が編訳したブレヒトの詩集を、またぱらぱらと読んでいる。いつの間にか眠っていた。