• 夜中に目が覚めて、「しま」が窓際からこちらを見下ろしている(月明りをバックに尖った耳がふたつぴょこんと見えた)のを見つめ返す。柚子が会社に行くのを見送って、「しま」と蒲団で、日高勝之編著『1970年代文化論』所収の同「大島渚蓮實重彦」を読む。1970年代を通して「しらけ世代」から絶大な支持を得た蓮實重彦と、60年代の多作から一転して作品数が絞られる70年代の大島渚には、反同時代的な身ぶりと、全共闘世代のパージと、蓮實の「宙吊り」と大島の「首絞め」に露わなドゥルーズマゾヒズムへの親和性において、近似があると論じている。IUの《Love wins all》のMVを見る。監督はオム・テファ。ヴィデオカメラの使い方がうまい。洗濯物を干して、TVをつけて『剣客商売3』第1話をぼーっと見ていたらゲストの遊井亮子がとてもよかった。外套まで着込むがやはり出かけるのは止して、大島渚の『帰って来たヨッパライ』をDVDで見る。エンディングの車窓から見つめる処刑の切なさ。こんなにも『絞死刑』とまっすぐに繋がっている映画だったか。「大島の映画は一本ごとにバラバラ」というのはよく考えなおさねばならない。大島渚の『新宿泥棒日記』をDVDで少し見る。