• 夜、ナンバさんとシノギさんとジュスティーヌ・トリエの『落下の解剖学』をめぐって話す。ナンバさんの「50 Centの《P.I.M.P.》とショパンの《24の前奏曲》の「第4番」はどちらも同じ落下する音型で組み立てられており、あの夫も息子も、まるで違う音楽を選んでいるようで、どのみち、母に引きずられて落ちてゆくのだ」という見立てには瞠目。さすが。しかし、このマチズモ(女性だから母親だからそれから逃れられるわけではない)と独白と告白の支配するこの映画が、よい映画であるとは到底私には思えない。話を終えてTwitterを見ると、最近はすっかり私も何かを聴くときに選ぶ盤ではなくなってしまったが、マウリツィオ・ポリーニも亡くなったそうだ。合掌。