• 仕事をして帰る。山下達郎の『SPACY』を半分だけ聴く。
  • 柚子が作ってくれた焼きそばを食べて、そのあと少し何か書いたり読んだりしようと思うが、風邪っぽいのではやく眠るという柚子と一緒に、開架のソファから「しま」も連れてきて、眠る。
  • 画廊は閉まり、美術館はいつ再開するのか判らない。4/11に登壇する予定だった、迫鉄平君の全作品上映に伴う、埼玉県立近代美術館トークショウはやはり残念ながら流れてしまった。

  • 朝起きて、今日は仕事が休みではないことに、なんとなく釈然としないまま、出社する。
  • 仕事を終えてから駅前の古本屋の百円棚を覗いたら、まだ『鏡の国の戦争』も『高貴なる殺人』も並んでいたので、たぶん「しま」しか入れない部屋の隅のどこかにあるはずだが、これも結局買ってくる。
  • 隣町の駅前で桜餅をふたつ買って、薬局で整髪料を二本求める。いちおうマスクの棚の前も通ってみるが、もちろん並んでいない。朝のシャッターの前の行列は、もう老人だけでなく若い人も増えて、ますます長くなっている。
  • 帰宅して、少しだけ首相の会見を眺めるが不快なので、チャンネルを変える。柚子と饂飩を食べる。柚子は風邪の防止のため、早く床に入った。「しま」が大きな声で鳴く。
  • 真夜中に風呂に入って、ジグムント・バウマンとデイヴィッド・ライアンの対談本を読んでいるが、そのなかに、「今日の変動しやすく可動的な組織において権力が表面に出てくる電子テクノロジーアーキテクチャは壁(ウォール)や窓(ウィンドウ)といった構造物(アーキテクチャ)をほとんど不用にします(仮想の「ファイアウォール」や「ウィンドウズ」であっても)。その結果、さまざまな顔を表示する統制の形態も可能になっています。」*1という一節を見つける。「Mirrors and Windows」のことをぼんやり思い出したりする。鏡はどこに消えたのか?
  • 眠る。

*1:The architecture of electronic technologies through which power is asserted in today's mutable ... organizations makes the architecture of walls and windows largely redundant (virtual 'firewalls' and 'windows' notwithstanding).And it permits forms of control that display different faces.

  • 鍼に行き、サンパルの「コフタ」でカツカレーを食べてから、三宮で写真を少し撮る。桜ノ宮まで出て環状線を降り、ちょうど太陽が背になるので、京橋のほうへ向かって写真を撮りながら歩く。
  • 京橋を越えて蒲生まで出て、少し陽も落ちてきたので、京橋に戻る。今日は古本屋が開いていた。棚にデレク・ジャーマンの『ラスト・オブ・イングランド』を見つけて、ぱらぱらと捲る。「皆様、閉店のお時間です」という一文が眼に飛び込んでくる。昔買ったような気もするが、四百円なので躊躇わず求める。
  • Oギャラリーeyesで成山亜衣展をみる。以前より、絵画を使って作家が何かを表出するということより、絵画というメディアをつくるという意識が前面に出てきている作品群で、ずいぶん面白かった。
  • やはり先に出すべきカネを出さずに、我らが宰相殿が緊急事態宣言を出す。河原町の「地球屋」が今夜で閉店らしい。櫻井君や迫君たちと一緒に楽しく呑んだ記憶が甦り、悲しい。
  • 帰宅すると先日註文したブランショの『至高者』が北九州の古本屋から届いている。天沢退二郎の訳のこの本も昔買ったような気もするのだが、今はないのだからしかたがない。

  • 「他人同士がひとつの場所に集まるな」と呼号されている。相当の補償(カネ!)もないままに。
  • 何の補償もなく自由権を削減されることへの抗議の表明もなく、命の危険を盾に取られて、これに諾々と従うなら、これからも繰り返されるだろう。
  • 他人がひとつの場所に集まらなくてもよいように、行政のサーヴィスをはじめ、生命と時間の節約をめざして(たとえば千葉市の取り組みのように。『ニューロマンサー』のディストピア)、ただの他人同士の集団を生成させる機会を奪うだろう。美術館が、図書館が閉められる。
  • 「近い将来、司書の仕事は人工知能で代替可能になる」し、「人件費増に直結する『司書の配置促進』は『改革』の名に値しない」と維新がいったことは、繋がっている。

  • 職場の近くの古本屋の百円棚でジョン・ル・カレの『死者からかかってきた電話』を買う。お菓子とコーラをドラッグストアで買って、家に戻る。
  • 夕食をとってから、Zoomでアラザルの同人たちと駄弁る。夜中の3時までずーっと喋る。意識がなくなるまで喋る。いきなり眠ってしまったようで、眼が醒めると、それをみていた皆が笑った。
  • 国家にしかできないことをちゃんとやれ、カネを配れ、差別をするな、と、苛々することばかりで、やはり神経がぴりぴりしていたのだと思う。友人たちと喋って、ぐっすり眠る。

  • 駅前の花屋が、ラナンキュラスを十本纏め売りをしているのを買う。朝家を出るときからジャケットを一着買って帰ろうと思っていたので服屋にも寄るが、ちょうどいいサイズがない。閉店間際の本屋で慎改康之の『ミシェル・フーコー』を買う。花の茎を鈍い鋏で短く切って一輪挿しにまとめて活けて、食卓の上に置く。糞のような政府から差し出される政策のまわりには、梱包財のようにみっちりと差別が隙間なく詰め込まれていて、まるでこのゴミ糞と一緒でなければ施しをしませんとでも言いたげで、本当に不快。