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- マイケル・ボンドの『パディントンのクリスマス』も読み始める。写真屋さんの店先に飾られるほどの「非常に珍しい型の初期のカメラ」でブラウンさん一家を撮る「家族写真」で、パディントンが撮る写真は「少しぼやけていて、ふちのほうに数か所、前足のあとがついてい」るのだが、それは
「はっきり、きれいにとれてはいるんですよ――たしかに、みなさんがた全部うつっていますがね――しかし、ところどころ、霧がかかったようになってるんですよ。それに、このポツポツと明るい部分ですね――お月さまの光みたいに――これがどうも変ですなあ!」
パディントンは、写真屋さんの手から感光板をうけとって、ていねいに調べました。そして、だいぶたってからいいました。
「これ、ぼくがおふとんの下で、懐中電燈をつけたところだと思うよ。」
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- 午後からシネ・リーブル神戸でカンテミール・バラゴフ『戦争と女の顔』を見る。久しぶりの映画館。やはり疲れているようで、初め少しうとうとするが、好みの映画だった。マティスのような緑や赤の服を纏い、空っぽの黒い空洞を抱えた女ふたりがいて、その空洞を何とか埋めようとするがそれはとても難しい。彼女たちと関わる男たちを含め俳優の顔がいい。公衆浴場のシークェンスで画面に女たちの裸が溢れるが、ぞっとするほど不気味な肉塊として撮られている。ポスト絶滅戦争のドミニク・アングルのような、すさまじいショット。エフゲニー・ガルペインの音楽も好み。エンドクレジットで流れる歌が特に素晴らしい*1。もう一度見たい。
- NewJeansの《Attention》はいい曲だと思う。
- サイギャラリーからの案内葉書で、倉智久美子が昨年末デュッセルドルフで亡くなったことを知る。
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- 朝早く起きて、御徒町から葉山。海に向かう人たちでいっぱいのバスに乗って、神奈川県立近代美術館葉山で、アレック・ソスの「Gathered Leaves」展を見る。
- 会場でアレック・ソスとすれ違った。
- 急いで新宿まで戻って初台の新国立劇場で、ドビュッシーの《ペレアスとメリザンド》を見る。
- 新宿の駅まで写真を撮りながら歩いて帰り、そのまま新幹線に乗る。