引越の顛末

  • 久しぶりに一睡もしない徹夜。8時過ぎに引越屋が来る。積み込みだけで2時間余。引越屋、私を鬼か悪魔かのように、チクチクと厭味を云う。「お客さんの荷物、グランドピアノ三台分の重さと一緒でっせ」。しかも私に云うのではなく、今日から私が同居を始める姑に云うのである。てめー、婿姑関係に罅を入れる気か!?、お客さまにンなこと云うのか!!と思ったが、そりゃあれだけの大量の荷物を運んだら、文句の三つや四つは云いたくなるわなあ。引越屋さん、よい仕事をありがとう。2階の殆どが段ボール箱で埋まる。
  • 昼過ぎから、王子公園に戻り、部屋の後片付けに。そうそう来ることもなくなるだろうから、駅のガード下にある「王子飯店」で天津飯とワンタン麺を食べる。量の多さ、味のうまさを含め、この店の天津飯よりおいしいものをまだ食べたことがない。いつもは厨房で黙々と料理を作っている店主と、初めて会話をする。なんだ、とても人懐こい笑顔の、いいひとじゃないか。腹をパンパンにして「王子飯店」を出る。
  • 商店街の入り口の千鳥屋で買った「みたらし小餅」(会社で食べて以来お気に入り)を持って1階の大家さんの処へ挨拶に。部屋に戻り、仕事が退けた柚子が来るのを待つ。
  • 何もなくなった部屋は、まるで別人のような表情。壁も畳も見えなくしていた本がなくなって、せいせいしたか? やがて来た柚子が、こんなまともな部屋だったんだと云う。ふたりで帰宅。柚子の家での暮らしが始まる。