仔猫とおでんと。

  • 朝、私にぴたっと張り付いている「しま」と起きて、昼食と同義の朝食をとり、少し書き物。
  • 若年層の労働・貧困問題に関心を強く持っているpayumu君のブログ*1を読んでいて、「ここ数年(数ヶ月?)で飛躍的に「貧困」というタイトルの本が増えて、追いつけない。全て買おうとすれば、こちらが金欠に……。」と云う記述を読んで、思わず吹き出してしまう。
  • 緒形拳、逝去。リアルタイムでみた彼が出ている映画は『大誘拐』や『咬みつきたい』などだが、私の最も印象に残っているのはTVドラマの『迷宮課刑事おみやさん』。小学生のとき、兎に角すごく好きだったのだ。
  • 夕方からアルバイトに出かける。自転車を漕ぎ出すと、ぽつんと水滴が肌を打つ。家に戻り、傘を携える。
  • ひとはじぶんの人生やじぶんが生きる時代の外側に出ることは決してできず、だから人生に於けるあらゆる選択に失敗も成功もない。もちろん後世からのジャッジはあるだろうけれど、てな話を。
  • アルバイトが終わってから図書館にゆき、借りていた本を返す。図書館のまわりはのうのうと深くて濃い闇で、ちょっと恐ろしいほど。図書館の入口のすぐ前にきても、肝心の返却ポストの場所がよくみえず、携帯を取り出して、モニタの青白い光を懐中電灯がわりにする。実はそれまで、返却ポストとは反対のほうから、ラジオから流れる歌謡曲と、男性ふたりの話し声が聞こえていたのだが、私が携帯の明かりをポストの口に向けてかざした途端、話し声はふっつり消え、ラジオの歌だけが残った。足早に立ち去る。
  • 帰宅して柚子とおでんを食べる。美味。柚子は缶ビールを一本呑み、やがてTVの前の絨毯の上で眠ってしまう。彼女はよく、正座から、そのまま上体をぺたんと倒して床にくっつける、それって疲れない?といつも思ってしまう姿勢でうたた寝しているのだけれど、今もやっぱりその恰好で眠っている柚子の背中の上に、「しま」が乗って、同じ姿勢で眠っているのが可笑しかった。
  • ふたりの眠る横で、床に座り、NHKでやっていたレイテ戦のドキュメンタリ*2の再放送を途中からみる。敵の弾に当たるより飢餓や病気で死んだ日本兵のほうが多い戦場だと云うのは有名だろう。あれこれ本で読み、もうそのたびに怒りどころか笑ってしまうしかないほどレイテ戦は行き当たりばったりで、悲惨なのだけれど、証言をしている生き残りの爺さんたちは皆、その戦場で、今の私より若かったのである。
  • TVが終わり、横をみると、「しま」がいない。私と柚子が一緒にいるときは、たいていそのまぢかにくっついているので、あたりを見回すが、どうも姿がみえない。ふと、さっきの姿勢のままで眠る柚子の膝の前からそっと、おなかの下あたりに手を入れてみると、まるでウロのなかに籠もっている梟のように、「しま」が丸くなって眠っているふわふわの腹に、指先がぶつかった。