雨の音

  • 朝起きて、ゴミを棄てる。このときは空は明るくて、洗濯をせねばと思うが、再び眠ってしまい、機会を逃す。雨が降ってくる。
  • 夕方からアルバイトに。雨は時折、地面の水溜りの上に、ぽつん、ぽつん、と小さくてきれいな丸い波紋を拡げるくらいになっているが、空は黒々としていて重く、自転車を諦めて、大きめのビニール傘をさして駅まで歩き、電車に乗る。行き帰りの車中、江藤淳の『アメリカと私』を読んでいる。江藤の「〜と私」シリーズはどれも優れているが、まだ三十歳にならない(!)江藤の滞米生活が描かれるこれには、彼の勁さと弱さの両方が、とてもよく表現されている。つまり、江藤淳が「江藤淳」になったドキュメントなのだろう。
  • 駅をおりると雨足は再び強くなっていて、鞄をたすき掛けにして、傘をさして帰宅する。コートの裾が濡れる。
  • 柚子とすき焼きを食べる。