のたのた。

  • 出かけるつもりだったがけっきょく家のなかでぐたぐたしている。ちょっと所用で、ショスタコーヴィチ交響曲をマリス・ヤンソンスの全集で聴きなおしたりしている。《第一番》、《第二番》、《第四番》あたりが今は好き。コーマック・マッカーシーの『ブラッド・メリディアン』を、ちまちまと読んでいる。黒原敏行の訳文の感じが、実に呪文じみていて、そのうねる具合に乗ってくると、大変心地好い。
  • きょうは初夏のような天気で、ショスタコーヴィチをずっと聴いていると暑苦しくなってきたので、リットナーの弾くシェーンベルクを聴いて、涼む。
  • ようやく机の廻りの本の山を片づけて、突貫で『アラザル』の原稿を書くための新しい山に作りかえる。けっきょく、私の書いている批評(なのだかどうかさえ怪しいが)は、いろいろな本を引き抜いてきて、そのあちこちを書き写して、それらの間をちくちくと縫合して並べてみせることに他ならない。
  • 本を整理していたら、先日探したのに見つからなかったフルトヴェングラーのウラニアの《英雄》のCDがひょっくり出てきたので、また聴いていた。私の持っているのは数百円で買ったArchipelのものだが、この濃厚な表現と推進力には強く魅了される。それでけっきょく、もっと音が良いと云う他の盤が聴いてみたくなるのである。フルトヴェングラーは怖い。
  • それから、ケント・ナガノの振る《大地の歌》を聴いている。だから、その間は、何も書いていない。
  • その後、外が明るくなってくる頃、鈍ゥく頭が痛くなってくるまで、ぽちぽちと原稿を書き進める。この間は、何も聴いていない。