2012-12-12 ■ 日録 日録 J・M・クッツェーの『ダスクランド』を読み終える。18世紀の南アフリカでの暴力と、20世紀のアメリカ本土におけるヴェトナム戦争が「クッツェー」という名前や幾つかの言葉を蝶番にして重ねあわされる。そうすることで、ぴったりと相似の図が描かれるというのではない。ズレまくっているのだが、しかしところどころ、確かに反響しあっているのが判る。岡崎乾二郎の二枚ひと組の絵のような。 『前田敦子はキリストを超えた』という本が出ているが、もし前田敦子がクリスチャンだったら、嫌な気分になることだろう。そのあたりへの配慮は書き手にはあるのだろうか。