- 朝いちど起きて、柚子が出勤するのを見送り、ペットボトルを棄てておいてねと頼まれる。蒲団の上に転がって眠る。
- 昼前に起きて、公園の外まで、資源ゴミがまだ出されているかを確認しに行く。小雨が降っているので、白濁色のビニール傘をさして。家に戻り、カメラを首からぶらさげて、ペットボトルばかりがいっぱいに入った驚くほど軽いゴミ袋を持って、公園のいちばん向こう側まで歩く。写真を撮る。うずたかいゴミ袋の山のなかで、それを積み替えているのか何かを漁っているのか、こちらからは彼女の背中と尻の一部しかみえないおばあさんがいるのに、ようやく気づく。ゴミ袋を置いて、そっと立ち去る。入ったことのない路地に入り、写真を撮る。写真を撮るのは、とてもやましい。もの盗りが空き巣を物色してうろうろしているのと、たぶん同じだから。シャッターを押すために一瞬立ちどまるたび、ひやっとする。