きょう買った雑誌

  • STUDIO VOICE』5月号
    • 菊地成孔が表紙で、確かロング・インタヴューが載っているはずだと思ったので、タワレコのカウンターの脇に置いてあったのを、CDを買うついでに、まるでコンビニでガムでも買うみたいに、中身も確かめずに購入。電車の中でパラパラ読むが、失望。
    • STUDIO VOICE』は、系統樹を描くのが得意だ。この音楽家とあの音楽家は影響関係にあり、あの音楽家はその音楽家と影響関係がある、と云う奴だ。もう十年以上前の「YMO環境以後」と題された特集は、それの最も優れた実例だったろう。勿論、当時は現在ほど日本のネット環境は遍在化されていなかった。
    • アマゾン・コムを利用していると、「あなたへのオススメの商品はコレです」とか「あなたが買った商品を買ったひとは、他にこんなものを買っています」と云う表示が出る。コレって、云うまでもなく系統樹なのだ。『STUDIO VOICE』の特集が圧倒的につまらなくなったのは、リンクと云う系統樹が常に遍在しているネットの時代になってからではなかったか。
    • そうであるならば、雑誌がちまちま系統樹をやることはないだろう。直球で雑誌の特性を活かすべきではないか。まるごと「菊地成孔」ってふうに焦点を絞って超ロング・インタヴューなり評論を載せたほうが、特集タイトル「ポスト・ジャズのサウンド・テクスチュア」とやらも、明瞭になったのではないか。わたしゃバカなので、それが何のことやらさっぱり判らないが。
    • 結局私は、日本のジャズが聴きたいわけじゃなく、菊地成孔の音楽が聴きたいだけなのだ。あ、南博もね。単なる菊地成孔オタクの繰り言でしたとさ。
    • 嗚呼、貧乏なのに無駄金を使ってしまったと軽い憂鬱に陥りながら、しかし貧乏で貧乏性なので他に読む処はないかと再び頁を繰り、目次を見ると、おおおっ、西島大介の新刊の書評を山田正紀が書いている!……って、違うぢゃん。誤植だった。知らないひとだった。山田和正だった。憂鬱拡大。
    • 最近立ち読みした雑誌では、『新潮』の蓮實重彦浅田彰の対談が面白かった。蓮實爺さんの粘着系の悪口芸、ますます冴えまくり。爺さん、ただし映画のことになると容赦なし。金井美恵子すらぶった斬り。朝日の広報誌で溝口健二の映画にぶー垂れた金井に「便所の落書きみたいな文句はネットで垂れてろ、資源の無駄」だって。この対談、毎月やってくれないかな。『映画千夜一夜』みたいな感じで。あ、ベルンハルトのことも敬意を込めて言及してたから、爺さんと佐藤亜紀の対談なんてのもどうだろう?