本と版画と批評とあんみつ

  • 東京駅に着き、軽く朝を食べ、やがて高田馬場に。早稲田通りの古本屋をぐるり。安い本で愉しむ。きょうも「天下一品」で昼を摂り、「高野家」と云うずいぶん年季の入った甘味処で、クリーム白玉あんみつを食べる。店内の雰囲気も素敵で、味も旨い。
  • 信濃町まで行き、アートコンプレックス・センター*1へ。その途次で「ハウス5」と云うヴォネガットな名前のアパートを発見。
  • F大兄から教えて貰った「大西信之「版画・絵画・漫画」」展。ニューヨークの「フラット・アイロン・ビル」を描いた一枚が素晴らしかった。大西氏がギャラリィにおられ、『王立宇宙軍』に参加した経緯などをお聞きする。
  • すっかり日が暮れてから、神保町をぶらり。「キッチン南海」で、大好きなロースカツライス定食を食べる。
  • 渋谷に出て、佐々木敦氏の「批評ギブス」。今夜は映画批評に就いて。嘗て、やはり深甚な影響を受けたと云う佐々木氏による、渾身の蓮實重彦クリティック。「完成することのない模倣」、永遠の戯れに耐え得るものでなければ書き続けることができない、テマティスムの批評。「批評家と呼ばれる主体は、悲劇的な虚構性を背負わなければならなくなる。つまり、自分では信ずることのできない虚構を、あたかも信じているかに振舞わねばならないからだ。」そして、蓮實重彦にとって、映画とは世界のなかの或るひとつの芸術なのではなく、映画こそが世界なのではないか? めちゃめちゃ面白かった。
  • とても此処では書けない内容の話題で大爆笑だった教室内呑み会のあと、終電で父の留守宅に。
  • 風呂に入り、たまたまTVで始まっていた韓国映画ラスト・プレゼント』をちらちら眺めながら、横臥するが、やがて眠る。起きるともうラストシーンで、何がラスト・プレゼントだったのか、判らず。