『消えた画』をみる

  • 洗濯物を取り込み、夕方から出かけて第七藝術劇場でようやくリティ・パニュの『消えた画』をみる。ふと、大島渚の『忍者武芸帖帳』を思い出した。語りえぬものを、決して語らぬもの(泥人形)を用いて、語ってゆく。フィルムにはっきりと映っているが、映っているものは総て嘘であるリアルな映像に対して、どうやって決して撮られなかった、撮られても塵にされてしまった「本当のこと」を救出するか? そのために「語り」が、フィクションが用いられる。しかし、ポル・ポトが撮らせていたゲリラ戦を称揚するプロパガンダ映画がちょっとだけ映るが、本当につまらなそうで、しかしそのあまりのキッチュさゆえ、みてみたいと思った。
  • キジ・ジョンスンの短篇集『霧に橋を架ける』を読み始める。「26モンキーズ、そして時の裂け目」は、ちょっとスパイク・ジョーンズみたいな感触で面白い。