• いわゆる現代美術のギャラリーに展示を見に行くと、ギャラリストとかキュレーターが寄ってきて、「作家のお知り合いですか?」と訊ねてくることが多い。こちらはただの好奇心で見にきているだけなのだから、すぐに仲間にするのはやめてくれ、仲間しか見に来ないと諦めているのか?というようなことをツイートしたら、「総括!」のし過ぎされ過ぎでネジが飛んじゃったのか知らないが、「ただ見にくるやつなんかいるわけがない。こいつはクレーマーに決まっている」というようなことを書いてきた可哀想な青年がひとりいたのと、あとは、「ギャラリストとして、そういう接客をする。なぜなら作家の知り合いかそうじゃないときでは、説明のスタートラインが変るからだ」というようなことを書いてきた作家もいた。それなら、「この作家をみるのは初めてですか?」と切り出してくれたらいいじゃないか、どうしていきなり仲間うちにしようとするのか?と書いたのだけれど、それには反応がなかった。
  • 現代の美術には本邦にも、すごくいいものを作る若い作家が少なくないと思っている。でも、そういうひとたちの新しい展示を見に行くときこそ、私はとても緊張する。以前の作品はよかったが今回はどうなっているか判らないからだ。しかし、その緊張があるからこそ、いい作品が並んでいたら、無上の喜びを感じる。ずるずるべったりの仲間になってしまって、この歓喜を手放したくないのだ。