シアターシンクタンク万化を観る。

  • シアトリカル應典院で、シアターシンクタンク万化の新作『多勢に無勢2 〜刑事たちの挽歌〜』を観る。
  • 美浜源八の脚本は描くものが明らかに変わってきている。これまでの彼の作劇の方法や人物の造型は、あからさまなジュブナイルであり----彼の好む表現ならば「DT」だろうが----、それが彼の強靭さであり、脆弱さでもあったと思う。しかしそれがガラリと変わってきたのは大傑作『エバーグリーンOn Line』からであった*1。つまり、それは美浜氏を含め、劇団の構成員の年齢も少しずつ上がってきたと云うことも大きいと思うのであるが、ジュブナイルを断念したと云うことだろう。……と思っていたら、次は『この荒野の物語』の再演!? ジュブナイルを遂に決定的に葬り、今、手探りで進んでいる道をさらに踏み込むための再演になるのか、はたまた十八番のジュブナイル路線を、年齢の上がった劇団で延命させるための方法論の模索となるのか、次回の再演が、美浜&小田氏の正念場となるだろう。看板俳優の高橋明文も充電期間に入ると云うし……。私は云うまでもなく、前者の隘路での敢闘を期待するが。
  • 終演後、K嬢とあれやこれやと立ち話。古本屋は廻れず。
  • 出掛けていた柚子と待ち合わせて帰宅する。