• 七月、大野和士マーラーの《第三番》で、京都市交響楽団を振る*1チケットも柚子のおかけで無事に取れたので、ハインツ・レーグナーがベルリン放送響を振る同曲のCDをひっぱりだしてきて、聴いている。この曲は、学生の頃はずっと、ショルティがシカゴ響を振ったものが大好きでよく聴いていた(クラシックを聴き始めたとき、宇野なんとかと云う批評家のディスク・ガイドを本屋で立ち読みして、ショルティのことをぼろ糞に書いていて、こいつはまったく信用できないと思った。今もそれは間違っていなかったと思う)のだけれど、今、レーグナーの指揮でこの曲を聴きながら私は、終楽章で涙が出そうになっている。私のばあい、ショルティのは第一楽章や第四、第五楽章あたりの印象が強く残っていて、終楽章のそれは、まるで残っていない。しかしレーグナーのこれは、兎に角、終楽章が素晴らしい。ひたひたと、音が澄んだ水のように、身体じゅうへ染みこんでくる。やはりレーグナーとベルリン放送響によるワーグナーの《ジークフリート牧歌》の録音の印象が、浮かんできたりしながら、椅子に坐ってじっとしつつ、ひたすら耳を開いて、音楽の流れに揺られ続け、やがてそれが終わって、残された響きも失われ、ふかぶかとした沈黙がおりてくるまで、私は動くことができない。
  • 夕方、柚子が帰ってきて、いつもより早く晩御飯を食べる。美味。その後、皿洗いをしてから、自転車を漕いで、すごく久しぶりに泳ぎに行く。初めてきてみた22時のプールはずいぶん空いていて、不機嫌そうなおばさんたちが水のなかで友だちと群れて駄弁っているのが殆どいなくてよい。クロールで500メートルくらい泳いで、ごはんを食べたあとだからだろう、学生の頃の長距離走の授業のあとみたいに、腹が痛くなる。しかし、以前は400メートル泳ぐともう嫌になっていたのと比べると、ほんのちょっと、運動することに慣れてきたか? 帰ってきて、風呂掃除。