『アルゴ』をみる

  • 遅刻しそうになりながら仕事に行き、明日も仕事なのだが今夜しか時間がないので、帰りに古本屋のワゴンを覗いてから、心斎橋まで出て、去年みることができなくてずっと心残りだったベン・アフレックの『アルゴ』をようやくみる。大変満足する。
  • 『ザ・タウン』では銀行の金庫室や腐れ縁のスラム街がそうだったけれど、何処にも出口のなさそうな環境と、其処からの脱出を丁寧かつサスペンスフルに描くのがベン・アフレックは好みのようで、しかも大変巧い。こちらをスマートに動かすために、あちらのおつむの出来の目盛を調節するというようなことをしないのもよい。それは今回の『アルゴ』でもそうだった(だからこそ、最後の脱出の解放感!)。また、彼の映画の主人公は、道に迷っているが、しかし最後はきちんと生きて帰り、そうすることで、こんぐらがった糸を解き、進むべき道を再び見出す。ところで『アルゴ』では、カナダ大使館のイラン人のメイドが大きな役割を担っているのだが、彼女は別の迷い道を踏み出したところまでしか描かれない。これからもベン・アフレックは迷路を脱出して帰還する映画を撮り続けるのか、何処かで迷路から出られない映画を撮ることがあるのか、非常に興味がある。
  • ジョン・チェンバースを演じて、まったく愉快にでっぷりと太ったジョン・グッドマンが出てきて、とても嬉しくなった。
  • 革命防衛隊のトラックとパトカーとジャンボジェット(でかいばかりでとても無力なのであるから!)のカーチェイスには、実に興奮した!
  • 非常に満足して帰宅する。柚子に林檎を剥いてもらって、食べる。