• 早起きするつもりだったが寝た時間が遅すぎたか昼過ぎ起床。洗濯機を廻しながらパスタを茹でて柚子のつくってくれたミートソースで食べる。洗濯物を干す。
  • ハイデガーの「藝術存在の起源」を少しずつ読んでいる。ヘーゲルに抗して、藝術をその終わりから救出しようとする最良の試みのひとつ。ほかのハイデガーの著作を読んでいるときよりずっと、とても美しい言葉にしばしば出くわす。関口浩の訳の見事さも当然ある。

藝術作品が、靴という道具が真実のところ何であるかを知るようにうながした。われわれが、自分たちの記述は主観的な行為の一種であってすべてのものに尾ひれをつけ、そしてありもしないものを読み取ったのだ、と考えようとするなら、それは最悪の自己欺瞞であろう。このさい何かが疑わしいとするなら、それはただわれわれが作品の近くであまりに少ししか経験せず、その経験をあまりにも大まかに、あまりにも直接的に語ったことだけである。しかし、とくに作品が用いられたのは、たとえさしあたりそのように見えたとしても、ただ道具にほかならないものをよりよく具体的に説明するためだけではない。むしろ、道具の道具存在は、作品によってはじめて、そして作品においてだけ、ことさらに輝き現れてくるのである。