• 朝起きだして、昨日書いたものを読む。このままだと幾らでも細部が膨れて終わらなくなると判断して、書きたいことをふたつに絞る。それから冒頭を書き改めると、なんとか昨夜に書いた分が整理できて、昼過ぎには書き終える。
  • 宝塚に行く。阪急に乗っていると、携帯がずっと圏外(ときどき繋がる)になる。こんな時期にぶっ壊れなくてもいいのになあと舌打ち。あとでソフトバンクのほうの問題と判る。柚子と大劇場の食堂でたこ焼きを食べるつもりだったのに食いそびれる。
  • 雪組の《ファントム》をみる。花組での二度の再演版の、ちょうど中間ぐらいのテイスト。望海風斗も真彩希帆も歌が巧くて、とてもいい。しかし、クリスティーヌの登場して最初の花売りのナンバーから、もう涙が出てきて困る。エリックの従者たちのなかのひとりが、頭の後ろに黒いリボンをつけている、たぶん娘役さんのダンスがとても気持ちがよくて、出番があるたび、ずっとオペラで追いかけている。幕間でパンフを繰ったら、たぶん笙乃茅桜。すごくいい。
  • 私はなぜかこのミュージカルの父と子の物語にとても弱くて、第二幕はもうほとんど嗚咽しっぱなしである。涙が止まらない。しかし泣きながら、これはどうやらじぶんは今ずいぶん弱っているらしいぞと思う。泣きに泣きまくることで、カタルシスを貪ろうとしているなと思う。こんなところで、やはり少し参っていることを実感する。お芝居が終わってからのエンディングのショウも色が鮮やかできらきらしていて、堪能する。
  • 靴底に穴が開いたので、元町で柚子に靴を買ってもらう。そのあと「ムジカ」でお茶を呑んで帰宅する。少しだけ原稿を訂正して、メールで送る。朝方までラジオを聴いたり、届いた『キネマ旬報』を読んだりしている。生涯のベストテンにたぶん必ず入れるアンゲロプロスの大傑作『アレクサンダー大王』がじぶんのを含め三票。そのうちのひとりは佐藤忠男だった。佐藤忠男とおなじテーブルに坐る日がくるなんて。