• ワーグナー・シュンポシオン2022』に掲載の夏田昌和の「R・ワーグナーの音楽と現代の音楽創造」を読む。「《ラインの黄金》序奏の冒頭で鳴らされ始める低音域のE♭とB♭による完全五度は、この先もコントラバス、バス・クラリネット、チューバと三本のトロンボーンによって序奏の終わりに至るまで休みなく保持される。それはこの音楽を支える土台としての二重のオルゲルプンクトであり、掻き鳴らされるドローン弦であり、この先の全ての音を生み出す巨大なサウンド・ジェネレーターでもある」という分析の言葉のかっこよさに痺れる。