- 洗濯機を回しながら風呂に入り、野村修の『ブレヒト・ノート』に入っている「バイエルン革命とブレヒト」を読む。特にその第二部は、戦後に再版された『家庭用説教集』からは削除された「赤軍兵士の歌」を、ブレヒトの全仕事の中にどう位置づけるかについての論だが、非常に教えられる。
- 写真を撮りに出かけようと、駅まで行くと電車が止まっている。停まっている電車の中に坐っているが、飽きたので駅を出て、隣町の駅まで写真を撮りながら歩く。
- 普通の家が並んでいる中に、黄色の大きな暖簾が掛かっている数十年前からそこにあるだろう肉屋。コロッケをひとつ頼む。おばあさんが揚げてくれる。おじいさんがおばあさんに何か言って、そのまま店の奥に入る。おばあさんは、さっきからカウンターの上に置いてあった、ヒレカツが五キレ入ったパックも包んで、コロッケと一緒にビニールに入れてくれる。「あの、量が多すぎないですか?」と訊ねると「いいの」。「幾らですか」と言うと、コロッケひとつの代金である「七〇円……五〇円でいい」。何だかよく判らないが五〇円を払って店を出て、さっそく道端で揚げたてのコロッケを食べる。甘くておいしい。
- 二時間半ほどで隣町の駅前に出る。本屋に寄って、柚子にプリンを買って、もうすっかり動き出している電車に乗って、あっという間に帰宅する。
- ヒレカツもおいしかった。肉屋のおじいさんとおばあさん、何か大きな声で言い合っていたから、もしかすると、このヒレカツのことで喧嘩していたのかもしれない。なので、私にくれたのだろうか。
- 先日中古レコード屋でマイケル・ナイマンの作品集と一緒に買ったバラネスク四重奏団の演奏するギャヴィン・ブライヤーズの《1番》を聴いてみると、すごく良かった。