水は流れる焔である

  • 朝から役所に。姑の病院に寄り、彼女を車椅子に乗せて、きょうは病院のぐるりを廻る。病院の裏で、鳩が猛禽(鳶?)に組み敷かれて、真白な羽毛を散らされ、ズタズタにされていた。われわれが横を通ったので、驚いて猛禽が鳩の背中から爪を離した瞬間、ぐらりと傾きながら、鳩は何とか宙に跳び上がっていた。もうぐるりを廻るのはやめようかなと、姑が恐がっていた。
  • 黒沢清の『CURE』をDVDで観ている。完璧な映画。『叫』に出てくる真っ赤なドレスが、実に不吉に、既に此処で撮られていたことに驚く。やっぱりこの映画も「犬」の映画だった。「ヒズ・マスターズ・ヴォイス」宜しく廃墟の病院の奥で蓄音機を聴く役所広司を、「犬」と呼ばずして何と呼べば良い!? 黒沢清押井守と同様、撮りたいものばかりずっと撮っている。鉄パイプ、アンテナ、屋上の青年、水、廃墟……。『CURE』と『アカルイミライ』と『叫』は、しかし何度観ても、本当に素晴らしい。もう何度目か判らないが押井守の『劇場版パトレイバー2』を観る。