- アルバイトに行くが、めっきり憂鬱になる。ひとつのことに没頭してひたすら頑張ったと云う経験は、彼ら彼女のこれからの人生に於いて、きっと、ひとつの確かな自信の基盤となるだろうから、決して無駄にはならないのだけれど、やっぱり取りあえずの結果として出なかった、と云うのは、こちらとしても、ずいぶん気が滅入る。
- すごく久しぶりに、前の会社で一緒だったYさんからメールがきて、そう云うような気持ちに私が捕らわれているのじゃないかと思って……、と文面にあり、おおズバリ見抜かれている、と、苦笑する。
- バイト先の近くの貸ヴィデオ屋に、誰も借りなかったらしい蔡明亮のDVDが300円で売られていて、そう云えば私は彼の映画をキチンとみたことがなく(台北のホテルで、深夜に、彼の何かの映画の冒頭をちょっとみただけ。ところで、すごいガキの頃にTVでみて強い印象が残っている映画の一本が、最近突然『金環食』だと判った)、レンタルするのと同じ値段ならと思い、買い求める。
- まだ終わったわけじゃないじゃない、と、柚子から慰められる。