• DVDで真利子哲也の『ディストラクション・ベイビーズ』をみる。女を殴るのが大好きなカスである菅田将暉がとてもうまい。だから、彼と、ボコボコにされてから立ち上がるまでのくねくねした身体の動きがいい柳楽優弥が遭遇して乱暴狼藉を働きはじめ、そこへ血管の透けた白くて薄い皮膚に、薄っぺらい手癖の悪さを浮かべた小松菜奈が巻き込まれてからの顛末は、ゲスな衝動発散の巻としてはそれなりの充実をみせるが(とは云え、それまでだらだらと描いてきた柳楽の怪異さは、菅田と組むことによって、菅田に飼い馴らされる。しかし、そうすることでようやく映画は動き出す。映画を動かしているのは菅田であり、彼は立派に仕事をしているわけだが……。柳楽は人殺しをしたいわけでなく、永遠に殴り合いができる相手を探しているはずだったのに、小松が殺人を犯したあとの唐突で一瞬の彼女への興味の寄せ方は、柳楽を矛盾を抱えた人物として描いているというより、単にブレているだけではないか?)それを挿んでいる前後が、あまりにちんたらとしており、よくよく考えた結果であるというふうでもなく(港町の喧嘩祭りも、村上虹郎の演じる柳楽の弟と、その友人たちとの絡みも映画からすっぱり取り除いてしまってもいいだろう)、ゆえに、映画の終わりにタイトルを出してきてみせるものの、何のインパクトもない。最後にタイトルを出していい映画だと思っているのが、じぶんに甘すぎやしないか? 108分も要らない。これに比べると、若いころの青山真治はずいぶんうまい監督だったのだとしみじみと思う(文句ばっかり云ってきたけれど)。
  • あとで、DVDでデイヴィッド・ロバート・ミッチェルの『イット・フォローズ』をみる。こちらのほうがよっぽど好みである。
  • 夕方から梅田へ出て、南天満の画廊をぶらぶらする。
  • 『重力』展の図録を古本屋で買う。