• 朝から「しま」が盛大に吐いて、出勤前の柚子と片づける。その後、お昼にも、もういちど吐いて、朝はほとんど水ばかりだったが、今度はそれなりの大きさの灰色の毛玉が出ていた。
  • 居間で大島渚の『飼育』を見る。『日本の夜と霧』のあとの混乱の情況の中で、大きく飛躍しているのがはっきりと刻まれているとてもいい映画。「ただ、その黒人兵に親しみを感じていて、彼を助けようとした子どもたちだけが、あの大人たちの嘘を忘れまい、というように、大人たちが死体を土葬する向こうでかがり火をたきつづける」と書く佐藤忠男(『大島渚の世界』)と「次郎の火葬の場で歌と踊りの練習に忙しい。ただ八郎だけが黙って、遠くに燃えている炎を見つめている」と書く四方田犬彦(『大島渚と日本』)のどちらを読んでも、トランスクリプションというのは非常に大切なのだけれど難しいもんだなあとしみじみ。テマティスム批評でこれを疎かにするのは自分の首を絞める。