きょう買った書籍

  • 寺倉正太郎・編著『ワーグナーの力』(青弓社
  • 今市子百鬼夜行抄』(第1巻。朝日ソノラマコミック文庫)
    • 柚子が大推薦の漫画。特に、この巻に所収の「あめふらし」と云う話が彼女のお気に入りで、その最初のコマの絵の物の怪が、めちゃくちゃ可愛いのだと云う。帰宅後、段ボール箱に占拠された自室の片隅で読み始めたのだが……。
    • 汗牛充棟をそのまま絵にしたような和室の書斎。うずたかく積まれた書籍の上のそこかしこに、魑魅魍魎の妖怪たちが座っている。これが柚子お薦めの最初のコマである。確かに可愛い。だが……。
    • 「これ全部読んだんだか読んでないんだか…次々買って来て部屋じゅう山積みにして本に埋もれてれば幸せな人だったから」。書斎の主の未亡人の台詞である。ちなみに老婦人には妖怪は見えず、彼女の頭の上には「おまえはこの先、背が伸びない」と呪詛を吐くスッポンのお化けが張付いている。
    • そして主人公の青年が、床も見えないほど書物で埋もれ、妖怪が蠢く部屋を見廻して呟く。「知識欲に物欲に……そんな人間の煩悩の匂いにひき寄せられてこんなに妖魔が集まって来るんだろうか?」
    • ふと、私は漫画本の頁から目を上げ、自室を見廻した。そのとき、ちょうど柚子が2階に上がってきたので、彼女に訊ねた。「……ねえ、もしかして何か見えてる?」