• 朝から映画に行くつもりだったが、二度寝してしまって起きるともう上映が始まっている時間だった。髭を剃ってからの蓮實重彦はずいぶんつまらなくなったと思っているが、それでも「自分より見ているものが小さいと、軽蔑が働くんです。だから自分より大きいものだと、軽蔑がどこかで削がれるわけです。ですから、大きなスクリーンで見なければいけないと思いますね」なんてことをさらっと言うのには、素直に感心してしまう。大島論を少し進める。
  • 「しま」は今日は小さなうんちをふたつしていた。やはり点滴をするとカリカリが食べられるようになるので、元気になるようだ。「しま」を抱っこして、顔をくっつけると、鼻の頭の湿り気が、朝より豊かになっていて、嬉しかった。ベランダで洗濯物を干していると、いつの間にか足元にやってきていて、いつの間にか階下に戻っていた。
  • 去年の末に買った腕時計を毎日着けるようになった。1960年7月製だと思っていたが、よく見るとシリアルナンバーの頭は「0」ではなくて「D」だったので、おそらく1957年のDecember(12月)製のようだ。砂川事件とかスプートニクの打ち上げとかの年。使い始めの頃はちょこちょこ止まっていたが、私も時計も慣れてきたのだろう、最近は何の問題もなく動いている。自動巻ではないなので、朝、家を出るときに竜頭を巻く。それがささやかなものであれ生活が変わるとは、そこで聴こえる音が変わるということだ。意識して耳を澄まして、巻き上げられてゆくゼンマイの音と、親指と人差指の腹に伝わる少しずつ変化する抵抗を、聴いている。
  • 病院に行くつもりだったが今日は午後診がない日だった。出かけようかと思うが、やっぱり止して、靴を磨いて、グレイザーのCMとMV集を見ている。いちばん好きなのはやはりレディオヘッドの《カーマ・ポリス》のMVだ。
  • 夜中に瀬田なつきの『あとのまつり』を見る。