小説

もどき(その五)

原稿用紙15枚位。メモを作り、途中まで書いてほったらかしていたのを、メモにそのまま肉づけするかたちで、無理矢理しあげた。 タイトルは、「わたしたちの音楽をどうするか」。 《我らが父なる》皇帝陛下の在位は愈々一〇〇年に及び、その弥栄と更なる繁栄…

もどき(その四)

原稿用紙15枚までで何書いてみろと云われて、ぽつぽつともう五年ぐらい前から書こうとしているSFっぽい世界をベースにした短篇を書き始めたのだがちっとも進まず、それを全部棄てて、じぶんの知っていることや知らないことをいいかげんに書き散らす、と云う…

もどき(その三)

「ふりかえると」から始まる原稿用紙五枚以内のお話を書いてみろとのことだったので、再び書いてみた。 タイトルは「青は進むことができる」。 ふりかえると、ずぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉぉおぉ……と、あまりに低く響きすぎて人間の耳では聴き取ることができ…

もどき、その弐。

原稿用紙三枚で、「おとぎ話、その後」と云うテーマをやるから、何か書いてみろと云われたので、書いてみた。 「みずしなえりかちゃんのおかあさんの話」、と云うのがタイトル。なお、冒頭の点は改行の代わりである。 子供を授かり、やがて母と同じように、…

小説らしきものと。

原稿用紙五枚で、「階段」と云うテーマをやるから何か書いてみろと云われて、書いてみた。 題名は、「ニールス・ボーアの扉の蹄鉄」とした。 宝塚歌劇とは何の関係もないが、ずっと宝塚に住んでいる友達がいて、名前を保南と云う。みなみ、と読む。 保南君が…