『イングロリアス・バスターズ』をみる。

  • 腰のあたりに昨日あたりから鈍い痛みがあり、柚子からカイロプラクティックに行ってくるように云われて、昼から出かける。カイロに行くのは初めて。先週からの疲労が蓄積しているのと、姿勢が悪くなっている所為で、内臓に負担が掛かっているとの由。姿勢をキチンとして、深呼吸をしていれば、一週間程度で治ります、とのことだった。診察台に寝転んで、足を上げたり下げたりするのだが、その際、どっちがよく上がっていますか?と訊ねられても、よく判らないのである。身体のことを訊ねられて、それをキチンと感じ取り(これがいちばん私には難しい)、それからその辛うじて感じ取ったものを言葉に翻訳するのは、日頃そういうことを滅多にやらないので、とても骨が折れる。
  • そのまま三宮から元町まで出て、古本屋をぶらり。先に出かけていた柚子と待ち合わせて、ウェンディーズで軽く食べて、ダイエーの上のジュンク堂をぶらつき、それからミント神戸クエンティン・タランティーノの『イングロリアス・バスターズ』をみる。兎に角やりたい放題をやっているのが本当に素晴らしい。暴力の発動の際の圧倒的な密度と速さが素晴らしい。そして、この映画は、1999年あたりから始まる、観客の視線に晒されている映画が、いきなりこちらをまっすぐ見つめてくる映画(映画が観客の視線を捉え返し、復讐してくる映画)の最終形態であり、2000年代の映画の窮極の一本となるだろう。スクリーンが落ちても、それをものともせず、蠢く煙に投射され続ける映画からの復讐。そして、その映画から観客への復讐の続きとして、表層(これもまたスクリーン!)に深く刻まれるナイフの切っ先。『アンダルシアの犬』をすっかり乗り越えたタランティーノ