- 風呂に入り、朝飯を食って、お茶を淹れて、H2Hの『FOCUS』を聴きながら「あとがき」の続きを書く。15時に印刷屋に原稿を入れるとのこと。いちど限界が来て、暖房の風の向きを調整したりだらだらネットを見たりお茶を淹れたりして、また書く。ギャング・オブ・フォーの《チーズバーガー》を聴きながらようやく書き終わって、レオンハルトの弾く《フランス組曲》の一番を聴きながら微調整をして、メールの送信ボタンを押す。今《フランス組曲》はもう二番に入っている。そのままぼーっと高橋悠治の『パーセル最後の曲集』を聴く。映画みたいでとても好きなアルバム。やはり大好きな鈴木治行の『語りもの』をふと思い出す。そのまま『YUJI PLAY BACH』をぼーっと聴いている。バッハのピアニストとしての高橋悠治がいちばん好きかもしれないとときどき思う。
- 何となく昂っているので、久しぶりに映画館の暗闇の中に坐って映画でもぼんやり眺めようと思い立つ。シネマ神戸まで出てホン・サンスの『小川のほとりで』を見る。とてもいい映画だった。ここで終わるかな終わるかなと思うところが全部外れて、これで終わるのか、と思うのだが、いい終わり方だった。夜中の校庭で、誰ひとり顔が判らない影法師たちが立ち話をするシーンだとか、キム・ミニが眠っていて、足をもぞもぞさせたあとに起きるショットだとか、風間杜夫みたいなクォン・ヘヒョに促されて四人の学生たちが即興で詩を詠む打ち上げのシーンだとか、とてもよかった。
- すっかり満足して旧居に。柚子に晩飯を食わせてもらって、本を漁って、新居に戻る。